REMPO&TIA

緋色の花

Caution!!ティア死にかけ、レンポ突っ走ります。二人でこういう未来を選んだりする場合もあるのかな~、という管理人の妄想です。あいかわらず勝手設定全開です。いつものことです。お話は全体的に明るくありません。一般的なラブラブハッピーエンド…

ゆたんぽの君

 すでに季節は、冬とされる頃合となってから久しい。すなわち、身も凍るような季節の真っ只中であるということだ。 吐く息が白いなんて当たり前。指先はかじかみ、不用意に耳を風にさらせば、痛くなる。太陽が顔を覗かせている日中はまだしも、夜ともなれば…

あいあい

 雨が降っている。 全ての罪を洗い流すような優しい雨が、世界を柔らかに包んでいる。いまはもう嵐が多くなる秋の季節だが、今日はなんとも静かだ。 小さな我が家の中は湿気に溢れているが、常に室内は綺麗にしておきたいティアは、家具の埃を払い、床を箒…

大輪の花

 がやがやと喧騒に包まれ、浮き足立つ街の中、ローアンの町長宅から我が家へ戻るティアの傍らを、レンポが首を傾げながら飛んでいく。 そんな様子を横目にみつつ、ティアは「ああ、もうそんな季節かぁ」と心の中で呟いた。 いつもより露店の数が増えた街。…

焼け落ちて残るもの 後編

 夕方、ミーニャと別れ、家に戻ってご飯を食べて一息ついて。 すっかり静まったその日の夜、ランプの明かりの下で預言書を開いて、ティアは先日みつけたメタライズのひとつと向き合っていた。目下解読中であるが、なかなか解けそうにない。 こうしたことは…

焼け落ちて残るもの 前編

 夕暮れに染まる占い横丁に、都の魔女と名高い占い師の館から、小柄な少女と人あらざるものが出てくる。 通りに風が吹くたび、ざわざわ木の影が踊る。黄昏時ということもあってか、ひどく人を追い立てるような、切なさを呼び起こすようなその風景の中に、テ…

安眠の夜

 西へと去った太陽に代わり、星の海を月の船がゆく穏やかな夜。 春も過ぎ去り、初夏から本格的な夏に向かうこの季節、風は昼の名残か暖かく、ふわりと吹いては梢を揺らして消えていく。 そんな風がゆくローアンの街入り口近くは、街中の繁華街とは違って、…

雨の日

 ざあざあと、雨が降る。まるで、子供が泣いているようだと、ぼんやりと考える。 湿気のせいでなんだか重い頭を巡らせて、レンポは気だるげに視線を流す。 その先には、預言書の持ち主であること以上に、レンポにとって大切な存在となった少女がひとり。 …

あいたい

 自分の長い影を連れて、小柄な少女はグラナ平原をゆっくりと歩いていく。 潮騒に似た、草が風に揺れる音。森へと帰っていく鳥が、流れ星のように空を横切る。夜色に染まりはじめた頭上には、ひときわ美しく瞬く星がある。地の先には、溶けるように真っ赤な…

情熱と輝く未来

 冒険の旅から帰り、預言書の問いかけにコードをいれて、次の世界を垣間見る。 それはクレルヴォとの戦い以降、すでに幾度か繰り返したことだった。その度ごとに、出来上がった世界にティアは一喜一憂していたりするのだが、それは置いておいて。 今日も新…

やきもちやきの彼

「いやはや、ワシがあと二十年若かったならば、本気でおまえのことを放ってはおかないんだがな!」「あはは、師匠ってばまたそんなこといってー」 そういって腕を組み高笑いするグスタフに、ティアはころころと笑った。石造りの道場に二人の声が広がっていく…

はじめて

 視線が痛い。 じーっと見詰めるような、ぼーっと眺めるような視線を受け続けているティアは、困惑していた。 この狭い家の中、本棚にいこうがお茶をいれにいこうが、常に背中にちくちくと刺さる熱い視線を気にするなというほうが無理というもの。「あの……