HEATH&TIA

やすらげるばしょ

 ティアは、目を薄くひらいた。 二度、三度。ゆっくりと瞬きを繰り返せば、視界が明瞭になっていく。 そうなるにつれ、夢の世界でみていたものが、手のひらから零れる砂のように消えていく。 儚い夢のあとを霧散させながら、ティアは視線を巡らせる。 太…

小さな約束 大きな約束

 ―― この箱をひらく汝に 大いなる災いあれ! ―― そんなことが、古代文字であたかも模様であるかのように全体に掘り込まれているなど思いもしないまま、ティアは手のひらに乗る大きさの箱に指をかける。 見た目より重いそれは、鮮やかな色彩でティア…

呪われたあなたと、私の一ヶ月

 嫌な予感は確かにあった。 だが、油断していたのもまた事実だった。 数々の冒険と頼りになる精霊たちと、そしてついてきてくれた力強い存在が、ティアの危険予知を鈍らせていたのだろう。 いくつか部屋をみてまわり、これで探索は最後となる部屋の中央に…

たかいたかい

「――は?」 よく晴れた空の下。 ヒースは間の抜けた声を響かせた。己の聞き間違いかと思ったのだ。 そうしてしまった原因を作った発言者は、ヒースを見上げていた可愛らしい面に、ぱっと朱を散らす。「えっと、あ、あの、私なにいってるんでしょう、ね……

嫉妬なんてオレらしくない

3つの恋のお題ったー 「嫉妬なんて俺らしくない」より。   うららかな空の下、ティアは機嫌よくローアンの石畳を駆けていく。 今日も今日とて商売にいそしむ双子たちに挨拶し、街角に佇み小説の思索に耽る詩人に声をかけ、太陽の光…

また泣かせたな、すまない

3つの恋のお題ったー 「また泣かせたね、ごめん」から。ちょこっとヒースっぽくに変更しました。ティアへのお題だったのですが、ヒース視点で。   ヒースは、真っ暗な道を歩いていた。 ふと、なぜ自分が歩いているのかわからなくな…

六月の花嫁

「すみません、ヒースさん」 先日、静かな口調だが、熱烈な愛の告白を受け、晴れて恋人となった年上の男――徒手流派の師匠でもあるヒースを見上げ、ティアは申し訳なさに眉を下げた。 逞しい腕には買い物袋が下がっている。つまり、荷物もちをしてもらって…

40の短文描写

00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。 icoです。Sss.というサイトを運営中です。 ぷらぷらとネットをさ迷っていたらお見かけし、65文字から2~3文字超えるぐらいならokらしいので、気楽に挑戦しようと思い立ちま…