やすらげるばしょ

 ティアは、目を薄くひらいた。
 二度、三度。ゆっくりと瞬きを繰り返せば、視界が明瞭になっていく。
 そうなるにつれ、夢の世界でみていたものが、手のひらから零れる砂のように消えていく。
 儚い夢のあとを霧散させながら、ティアは視線を巡らせる。
 太陽の光が差し込まぬ窓の外が、カーテン越しにも明るい。きっと、東の端から姿をみせてわずかに経った頃合なのだろう。もう少しすれば、あたたかな光が、小さな家の中を照らし出す。
 もう、目覚めるべき時間だと、それだけで理解できる。
 ――起きなきゃ
 ぐずぐずと溶け、いつまた眠りについてもおかしくない不確かな意識で、そう考える。
 身を捩り、自分に絡む太い腕から抜け出す。抱き枕宜しく自分を抱きしめてきていた男を、そっと見下ろす。
 少し肉厚な唇は薄く開かれ、穏やかな息が繰り返されている。常に凛々しい目元も、いまは緩み、静かに閉じられている。
 額に掛かる、ばらけた濃い色の髪。左目を上下に走る古傷。すっと通った鼻筋。
 うん、とティアは無意識のうちに頷いて――ふにゃ、と笑う。ため息すら漏れそうだ。
 今日もヒースさんは格好いいなあ、と、ふふふと口元に指先をあててティアは笑う。
 そうして、ひととおり恋しい人の無防備な姿を堪能したティアは、次は寝台から抜け出そうと試みる。
 珍しく先に目を覚ましたのだから、朝食の用意などを済ませて、新婚の妻よろしくヒースを起こしてみたい。
 なので、音と動きに最新の注意を払い、そーっと足を伸ばして、ティアは床へと降り立つ。ぱっと手をあげて、よし、とにんまり口元に笑みを刻む。
 百点満点!
 わずかに物音はしたけれど、睡眠を妨げるほどではない。ティアは己の動きを自画自賛しつつ、ほんとうに起きていないかを確かめるように、ヒースへと顔を近づける。
 その瞬間、「あ」と声を漏らしそうになった。
 ヒースの開いた唇の端が、わずかに光っている。
 ぱし、と口を手で覆う。

 涎をたらして寝るなど――いつもからは想像できないヒースの姿!

 とうとう堪えられなくなって噴出しそうになるのを、ティアはどうにかこうにか抑え込む。肩は大きく震えるし、目元に涙は滲むけれど、なんとかその衝動を飲み込んでいく。
 それをようやく消化し終わってから、ティアは涙を指先でぬぐい、ヒースの高い鼻に小さなおはようのキスを、ひとつ贈った。

 

「――っていうことがあったんです!」
 ティアは、ヴァルドに向かって「どうですか、おもしろくないですか?」といわんばかりに胸を張る。
 くくく、とヴァルドが小さく肩を震わせて笑う。いつもの上品なそれではなく、年頃の少年じみた笑顔でいう。
「そう。ヒースがね。それはぜひ見たかったよ」
 楽しげな声。向けられた赤い瞳が、おもしろそうな光を宿している。それを真正面から受け止めたヒースが、渋面になる。
 ヴァルドのサインが必要な書類を手渡ししながら、じっとりとした険しい目でティアを見る。
「いつも涎をたらしているのは君だろうに」
 オレはそんなことないといわんばかりの声に、ティアは顔を赤くする。その言い方では、まるでティアが毎日、涎をたらして眠っているように聞こえる。
「ち、違います!」
 そうか? と、記憶を掘り起こすように、視線を斜め上にあげたヒースが、今度は澄ました顔をして言う。
「ぼーっとして、寝台の上に座り込んで、寝癖がついた髪はそのままで、枕をみれば盛大な涎の染みが――「うわぁ、うわぁ!」
 ティアは、自分の寝起きを暴露しはじめたヒースに飛びついて、その口元に手を当てて黙らせる。
 確かにそういう日もある。というか、ほとんどそうだったりする。今朝のように、ヒースより先にティアの目が覚めることのほうが珍しいのだ。
 もごもごと口を動かしながら、ちらりとヒースがティアを見下ろす。
 その瞳が、「まだなにかいうようなら、もっと話す」といっているようにみえる。
 勢いよく頭をふりながら、ティアはヒースに視線を返す。「これ以上、恥ずかしいことをいわないでほしい」と。
 思いつくことはいくつもあるのだ。それをヴァルドに知られたくはない。
 通じたのか、ヒースが鷹揚に頷く。
 ほっと身体の力を抜きつつ、ティアはヒースから手を離した。
 そのとたん、ぺちりと額を優しくはたかれた。
「あぅっ」
 ティアはほんの少しだけ痛む場所を手でおさえ、「なにするんですか!」と抗議しようとしたものの、ヒースに顔をぐいと近づけられて黙らせられる。青みがかった灰色の瞳が、いい加減にしろと言っている。
「自分のことを棚にあげて、他人のことをおもしろおかしくいうもんじゃないぞ」
「ううっ」
 もっともらしいことをいいながら、身を翻しヴァルドのもとへと歩いていくヒースの背へ、「べーっだ」と小さく舌をみせる。
 その様子に、声をあげてヴァルドが笑う。
「ははは、ほんとうに君たちはおもしろいね!」
「むう……、別に、私のことをおもしろがっていただかなくてもいいんですけど」
 ティアの本音に、おい、とヒースが声をあげた。
「オレならいいのか」
 呆れたようなヒースに、ティアはうんうんと頷く。
「だって、いつもはそんなふうにみえない人が、実はこんなだったっていうののほうが、おもしろいじゃないですか!」
 ね?! と同意を求めるよう力をこめてそういえば、かくりと肩を落とされた。
 もう諦めたのか、やれやれとヒースが呟いて溜息をつく。
 そのまま、くるくるとサインの乾いた書類を丸め、手早く封を施してヒースが言う。
「では、この書類を文官のもとへともっていきますので、しばし失礼いたします」
「頼む」
 そういって、ヒースは部屋を出て行く。
 黙ってその後姿をみつめて見送るティアに、ヴァルドが含みのある流し目をよこす。
「……ついていかなくていいのかい? ティア」
 ヒースの仕事に強引にくっついてきて、ヴァルドの執務室にやってきたティアが、後を追わないことが不思議らしい。
 それはそうかもしれない。ティアだってヴァルドの立場ならそう思うだろう。
「だって、ヒースさんが意地悪するんですもん……」
 ぷ、と頬を膨らませつつ額を撫でると、ヴァルドがまた笑う。
「誰だって自分の寝姿を人に語られては、あまりいい気はしないものだよ」
 傍らにある紅茶を口にしながらそう諭されて、ティアは眉をさげる。
「でも、ヒースさんが涎たらすとかいままで考えたことなかったし……。軍にいたころもそうだったのかなぁって。その頃のこと、皇子にきかせていただければ、とも思って」
 ぽつぽつと目線を下げつつそういえば、ヴァルドが「ふむ」と納得したような声を漏らした。
「なるほど、ヒースの昔のことが知りたかったのか」
 こくり、と小さく頷く。ティアはヒースの過去のことをあまり知らない。ある程度なら教えてくれるが、帝国軍でなにをしていたか、なにをしてきたかは、言葉を濁されたり逸らされたりで、ろくにきけたためしがない。
 好きな人のことは、興味がつきないというのに、ヒースは答えてくれない。
 それは、ヒースの帝国将軍としての立場もあるからかもしれない。でも、ティアがさびしく思うのは仕方が無いことではないだろうか。
 だから、うまくすればヴァルドからなにかきけるかもと、この話題を持ち出した。
「……でも、それはなかっただろうね」
 意外にもあっさりと、ティアの疑問にヴァルドは応えた。
「どうしてですか?」
 ヒースはきちんと睡眠をとる男である。よく食べて、よく仕事をして、よく眠る。
 ならばそういうことの一回や二回、あったに違いないはずなのに。
 ティアのさらなる疑問に、どことなくあどけない仕草で、ヴァルドが首をかしげる。
「そうだね。君のような女の子であるうえ他国の人間なら、我が帝国軍のことは、あまり想像できるようなものでもないだろうし……」
 うーん、と口元に手をあてて何事か思案するヴァルドが、伏せていた睫毛をあげる。
「人が、無防備になる瞬間というのはいくつかある」
 いきなり先生じみた雰囲気になったヴァルドに対し、ティアは背筋をただす。やはり上にたつ人間というのは、普通の一般人とはどこか違うものだ。この切替には、嘆息するしかない。
「たとえば、排泄のとき」
 ふむふむとティアはヴァルドの言葉に頷く。汚い話だが、たしかに安心するというか、ほっとするというか、一瞬気が緩むのはよくわかる。
「あるいは、情交のとき」
「……!」
 一瞬、何を言われたのかわからなかったが、そういうことだと思い至ってティアは顔を真っ赤にした。
「夢中になって周囲が疎かになる。……わかるね?」
 ヴァルドの表情が、やけに艶っぽくみえる。うぐ、とティアは口を噤んだ。
 いや、それも確かにそうだろう。だけど、ヴァルドの口からそんなことをいわれるとは思ってもみなかった。不意打ちだ。
 まるで自分たちの生活を知られているようで恥ずかしい。
 ティアの様子を愉快そうに眺めながら、ふふふ、とヴァルドが微笑む。
「そして、睡眠、だ」
「そ、それはよくわかってます!」
 妙な雰囲気を払拭したくて、ティアはヴァルドの言葉に食いつく。
 というか、野生の動物でもそうだ。睡眠の時間は、危ない。
 きいたところによると、とある動物は立ったまま眠るという。いつ襲われてもすぐに対応するためらしい。
 それはつまり、睡眠をとる瞬間が、もっとも危険であることをかれらが理解しているということだ。
 ならば人間が、それをわからぬはずがない。
「だけれど、戦場では一瞬の油断が命取りになる。民のそれとは比べ物にならないくらいの緊張を強いられるんだ」
 淡々とヴァルドはいうが、それは軍に身を置く兵士たちにとっては、とてつもなく辛いことではないだろうか。
「僅かな隙もみせてはいけない。とくに、一軍を率いる立場となればなおのことだ」
 ヒースのことをいっているのだと察し、ティアは腹の前で組んだ指を握り締める。
「護衛の人もいるのに、ですか?」
 ヒースほどの力を持っているなら、護衛は邪魔になる場合もあるというが、それでも将軍を守る兵士は必ずつけられるものだ。
「その護衛が、味方とは限らない」
 またもや平然と、ヴァルドはいってのける。
「帝国を裏切っているかもしれない。もしかしたら敵国の間諜がもぐりこんでいるかもしれない。いつ寝首をかかれるかわからないだろう?」
 気を許すことは死につながるのだと、悲しく寂しい人間関係でなりたっている軍内の厳しさに、ティアは瞳を伏せる。
 そうやって、ヒースは戦ってきたのだろう。主とさだめ、剣を捧げたヴァルドのために。
 なんだかその関係が、ひどくうらやましい。
「……じゃあ、どうやって眠るんですか」
 妙な嫉妬が表にでないように努めながら、ティアはいう。人は、必ず眠らなければいけない。その時間に個人差はあれど、永遠におきていられる人間なんていないだろう。
「ごくごく浅い眠りでも大丈夫なように、訓練されるときいているよ。とくに人がいる場所では、横になって眠ることすらないときく」
 ぱ、とティアは顔をあげる。
 だって、ヴァルドがいっていることが本当なら。
「つまり、そんなヒースが熟睡できるというのは、傍らにいるのが君だからだ。ティア」
「!」
 真正面から、紅の瞳が柔らかな色をたたえてティアを映す。
 ふるり、と全身が慄く。なんだろう、すごく、嬉しい。それはつまり。
「君の傍は、よほど心地いいとみえる。きっと君には、すべて許しているんだろうね――心も、身体も」
 そう。自分のそばでだけ、ヒースは深い眠りについてくれる。
 あんな風な姿をみられるのも、みせてくれるのも、自分とヒースの関係の延長線上にある特権。
「ここ最近は任せる仕事が多かったし、疲れているのもあるだろうが――あのヒースが熟睡したということのほうが、驚きだし嬉しかったよ。私の前ではそんなことは絶対にないからね」
 にこり、柔和にヴァルドが微笑む。
「これからも、ヒースにとって唯一の、やすらげる場所であってほしい」
 ティアも、そうでありたいと、強く思う。だから、頷く。
「はい……」
 かああ、とつま先から頭の天辺まで赤く染め上げながら、ティアはもじもじと指先をすりあわせる。恥ずかしい。
 ヴァルドの言いたいことはよくわかった。
 自分がものすごく、馬鹿なことをいったことも。
 聞かされるほうからしてみたら、「なにのろけているんだ」といわれても仕方がないくらいのことをしたと、ようやくティアは思い至った。
「……」
 それに、もったいないことをしたかもしれない。
 熟睡するヒースを知っているのは、きっと世界で自分だけ。
 それがたとえ、ヴァルドであっても、しゃべってしまったのは惜しいことだったのかもしれない。
 んむむ、と眉間にわずかな皺を寄せるティアをみて、ヴァルドがくすくすと笑う。
「ティア。ヒースに伝言を頼めるかな」
「は、はい! なんですか?」
 さきほど言い忘れたのだろうかと、あわてて目線をあわせる。
「今日の仕事はもういいから、ゆっくり休むように、と」
 希代の画家が描いた肖像画のように美しく、威風堂々とした皇子の姿を目に焼きつけ、ティアは顔を綻ばせる。
「はいっ! ありがとうございます、皇子!」
 その心遣いが嬉しくて、ティアは子供のように駆け出す。
 スカートとコートの裾を翻し、退室の挨拶をして廊下へ飛び出す。礼を失した行為かもしれないが、今は咎めないでほしかった。あとからいくらでも、怒られてもいい。ヒースを、追いかけたい。
 息せき切って、フランネル城の長い廊下を駆けていく。
 歩幅が広いヒースはずいぶん先にいってしまっているらしく、後姿はなかなかみえない。
 でも行く場所はわかっているのだから、とティアは懸命に走っていく。
 そして、いくつか角を曲がったところでみえた背に、ティアは飛びつくようにして抱きつく。
「どうした?」
「ヒースさん」
 気配は察していただろう。それでも避けないでいてくれたこと、受け止めてくれたことに、ヒースがティアを理解してくれているという気がした。
「なんだ?」
「ヒースさん」
 ぐり、とその背中に額を押し付ける。
 わずかに大きな身体が揺れる。笑っているのだ。
「……しょうのないやつだな」
 ゆっくりと手を引き剥がされて――身体を回転させたヒースが腕を伸ばしてくる。
「どうした?」
 ひょい、と抱き上げ視線をあわせてくれる。一度目と同じように、やさしく尋ねられて、ぽーっと意識が舞いあがる。
 この格好いい人が、強くてまっすぐな人が。
 自分にだけは弱点を晒してくれるのだ。
 ぺたりと、ヒースの頬に、ティアは手のひらをあてる。
「かわいいなって」
 うっとりとそういえば、ぴし、とヒースが固まった。
「……なんだって?」
 数秒の沈黙を経て、搾り出すようにそういうヒースに、ティアは素直に想いを重ねる。
「ヒースさんが、とってもかわいいなって」
 聞き間違いなどではないと理解したらしいヒースが、困ったように眉を下げた。
「君の考えは、ちとわからんときがあるな……」
 これが年齢差によるものだろうかと、真剣な顔で考え込むヒースも、すごくかわいい。
「ふふふ」
 ティアは、そんなヒースに腕をまわして、ぎゅ、と抱きつく。
「好きです」
「……」
 無防備なところをさらしてくれることも、こうして自分を甘やかしてくれるところも、なによりも優しくしてくれるところも。
「だーいすき」
「……はぁ」
 ため息をついたヒースが、きょろりと辺りを見回すように体を動かす。そして、ティアはすぐそこ大きな柱の影へと連れ込まれる。
 どうしたんですか? と、いおうと顔をあげた次の瞬間。
「ヒー……、っ、ん……」
 言葉にしかけたその名すら飲み込むように、あっという間に口づけられる。
「あまり、可愛いことばかりするな。いうな。君と一緒にどこかへ閉じこもりたくなる」
 くちびるをわずかに離し、額と額をくっつけながら、我慢している苦々しい声で、ヒースがそんなことをいう。
「……それでも、」
 いいですよ、というティアの言葉は言葉にならなかった。もう一度、口付けられたから。
 瞳を閉じれば、ここがフランネル城で、柱の影であるということも忘れそうになるくらい、その熱は心地よかった。
 ゆっくりと離れていくのを寂しく思いながら、それにあわせて瞳を開けば、ヒースがどこか拗ねたような困ったような顔をしていた。
「……それから、オレを甘やかすな。頭に乗るぞ」
「ふふっ」
 どちらかといえば、甘やかしてくれるのはヒースのほうなのに。でも、頭に乗ったヒースとか、すごくみてみたい。
 くすくすと、鈴を転がすように笑い続けるティアを、ヒースは静かに降ろしてくれる。
「で、本当にどうしたんだ。なにかあったから追いかけてきたんだろう?」
 頬に添えられた大きな手に、自分の手を添えながら、ティアはわずかに首をかしげ、そこへと擦り寄りながら伝える。
「書類を届け終わったら今日のお仕事終わりでいいよって皇子がおっしゃってました」
 伝言です、と言えば、ヒースが苦笑して、首に手を当てる。気遣ってくれたことを心苦しく思いつつ、でもありがたく受け入れたようだ。
「そうか。じゃあ、どこかにいくか」
 ヒースの言葉に、ティアは顔を輝かせて、腕に抱きつく。
「あ、美味しいケーキ屋さんできたんです! 一緒にいきましょ!」
 ひく、とヒースの顔が若干ひきつる。甘いものは匂いでさえもあまり得意でないヒースであるが、こういえば断らないだろうという計算の上での発言である。
 ずるいといってはいけない。恋する少女にとって、愛しい人とお茶をするというのは何回行っても終わらない夢である。
「……わかった」
「えへへ、楽しみ!」
 ぎゅーっと、太い腕を抱きしめる。そのまま、ティアは首を傾げてヒースを見上げる。
「あと、おうちにかえってゆっくり寝ましょうね」
 いつもお疲れ様ですという労わりをこめる。
「私、ヒースさんの寝顔、大好きです」
 照れくさそうにヒースが瞳を細くする。
「ほんとうに、変わった嗜好だな。君のほうがよほど可愛いぞ」
 そういいながら、ヒースが指を伸ばしてくる。むにむに、と頬をつままれながらティアは笑う。
「変わっててもいいんです!」
 それでもいい。それがいい。
 ヒースが無防備なれる場所であり続けられるなら、そうでありたい。
 温かい大好きな人とともに歩き出しながら、ティアはそう思った。