彼らの攻防
カレイラの首都、ローアンの街入り口。 そこは、昼間は街へ向かう者がとおり、さらには占い横丁や道場のある地域へと繋がる道も交わるため、それなりに人が行き交うところだ。 だが、夜にもなると人っ子一人いなくなる。 夕暮れ時には、少し寂しささえ感…
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占い横丁の攻防
道に敷き詰められた砂利を踏みしめ、レクスが夜の道を歩いていく。薄い雲に覆われた空に月はない。足元を照らし出す光源もないのに、レクスは平常と変わらぬ速度である場所を目指していた。 町の入り口までここを通ればすぐだ。 自分の親友だと認める少女…
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道場前の攻防
道に敷き詰められた砂利を踏みしめ、レクスが夜の道を歩いていく。薄い雲に覆われた空に月はない。足元を照らし出す光源もないのに、レクスは平常と変わらぬ速度である場所を目指していた。 町の入り口までここを通ればすぐだ。 自分の親友だと認める少女…
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道場前の攻防
「あ、きたきた!」 ローアンの街のおおよそ南東にあるグスタフの道場へ向かう道、そよそよと心地よい夜風に吹かれながら枝の上で足を遊ばせていたミエリは、闇の向こうからゆっくりと歩いてくる人の気配に、目を輝かせた。「今日は来ないかと思ったんだよね…
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中央公園の攻防
ひゅう、と吹いた冷たい風に臆したわけではなく、皇子は歩みを止めた。 その前方にある噴水の上、氷の粒を撒き散らしながらネアキが静かな表情で浮かび上がっている。 その姿をまっすぐみつめ、ヴァルドは小さく微笑んだ。「今宵も、愛しい者のもとへ道は…
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街への橋の攻防
ぱちぱちと爆ぜる小さな光。それは触れれば焼け焦げてしまう、苛烈な瞬き。綺麗ではあるのに、決して優しくはない裁きの具現。 対するは、歴戦の戦士にしてヴァイゼン帝国の将軍ヒース。彼の拳に溜められたプラーナが、陽炎のように揺らめいた。 一足飛び…
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カレイラの英雄の家
彼が笑っている。『アンワール、戻ってきたの?』 久しぶりに見た大切な人の姿に、幸福感がティアの胸にこみ上げる。 最初にであったときには、冷たく凍っていた瞳を優しく細めて、アンワールは何事か言っている。『なあに、よく、聞こえない』 そう問い…
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ありがとう
「ね、ウル」「はい、なんですか。ティア」 昼の喧騒も今は遠い、静かな夜。 町外れにある小さくとも暖かな家の中、ランプの灯りの下でコードの整理をしていたティアは、ふと顔をあげて傍らに浮かぶ雷の精霊の名を呼んだ。 深い信頼を経て、固い絆で結ばれ…
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