僕のヒーローアカデミア

365日のI need you

 死んだ。 そう思った。 だって、胸が熱くて、息ができない。 そのくせ、驚くような速度で、足元に這い寄る冷たさ。 見下ろした己の胸には、銀色の金属のようなものがはえている。 触って確かめてはいないが、背中から貫かれているのだと直感的に理解し…

悪食の徒

ああ、きれいだ。暗い部屋に光をあふれさせるテレビの前で、そう思う。大画面に映し出されているのは、一人のヒーローの姿だ。ただ人々を救うためにその力を振るい、前を見据えるその瞳。強大な敵に対し、怯むことなく諦めることなく立ち向かう、強い意思に輝…

遠い夏に花の咲く

 頬に滴ってくる汗を、無造作に手で拭う。 初夏をすぎ、夏の盛りを迎えたこの時期、舗装された道を陽炎が包んでいる。ゆらり、ゆらり、世界が歪む。 呼吸を深くすれば、眩暈がするような、むせかるような、熱気と緑のにおい。 風が吹く。ざわめく木々で、…

相棒

※エンデヴァーとホークスのお話です。恋愛要素はありません。 ビルの屋上に設置された柵の上に、危なげなく立つホークスは、空をみていた。 彼方まで無限に続く青は雲ひとつなく、気ままに飛べばさぞ気持ちよいだろう。いやいや、ここはひとつ、心地よい木…

僕のことふってよかっちゃん!

「僕を手酷くふってほしい」 寮の一階にある共有スペースで、仁王立ちでそんなことを言い出した緑谷出久に対し、ソファに座り込んで雑誌を読んでいた爆豪勝己は、とりあえず精神の病気を疑った。 今日は連休の中日だ。クラスメイトたちは実家に帰省したり、…