13.神の力
岩長姫を見送ったあと、残されたものたちは千尋を中心として集まっていた。「で、オレたちはどうすればいい」「神の力を借りましょう」 サザキの言葉にそういって、風早は左手に乗せた宝玉の中から、夜空のように深い青さの玉を右手で取った。「宝玉を通し…
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14.白龍顕現
爆発するように、光が唐突に溢れた。「なに……?」 大神は幾分か驚いたように、千尋に向けていた剣を降ろした。がくり、と千尋が膝をつく。力なく崩れ落ちた千尋の顔は青ざめ、呼吸は激しく乱れている それを見やることなく大神は両の瞳を細める。朽ちた…
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15.誓約
この世界の支配主が、一歩前にでる。「まこと、おもしろきこと」 己の地でのこのような勝手な振る舞いを怒るわけでもなく、大神は笑う。「神と人との誓約――この地を治める我が確かに見届けようぞ」 どのような結果になろうともそれを証すると言霊を放つ…
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16.現し世
目を覚ます。 やけに身体がだるい。 私、どうしたんだっけ。「千尋……! よかった、目が覚めたんですね」「かざ……はや……」 耳に馴染んだ声が聞こえる。その音を頼りにかすんだ視界を動かすと、ほっと息をついた優しい表情の風早が、覗き込んでいた…
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17.桜
「いやー、あんときはすごかったよなぁ! な、遠夜!」 こくこくと遠夜が頷く。豪快に笑いながらその背を叩いているサザキは、すっかりできあがっている。桜を愛でるために設けた席であるのに、頭上に咲き誇る薄紅の花よりも酒のほうがいいらしい。 ひらり…
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