彼女と悪魔の内緒の一番

 じり、じり……と、円を描くように、アザゼルとベルゼブブが対峙したまま、ゆっくりと動く。互いに眼光鋭く、アザゼルは己の武器を構え、ベルゼブブは手刀を研ぎ澄ませる。妙な緊張感が、互いの間で火花となって散った。
「べーやんとこないに争うなんて、思ってもみいひんかったわ」
「それはこちらも同じこと……」
 カッ、と互いに目を見開く。
「「勝負!」」
 同時に繰り出される必殺の意思をこめた一撃が、交差する――!
「お二人とも、なにしてるんですか? あんまり騒いで何か壊すと、アクタベさんが帰ってきたときに怒られますよ」
 その間を割るように、しゃくしゃくと涼しげな音をたててアイスキャンデーを齧りながら、佐隈は炊事場から顔を覗かせた。
 冷凍庫の中にひとつだけ残っていたソーダ味のアイスキャンデーは冷たくて、美味しい。それは、光太郎が昨日コンビニに買出しにいったときの余りだ。残っているということは、食べてもいいということだろう。思う存分味わうと、夏の空気で気だるい熱がこもっていた体が、冷えていく。心地よい。
 最後に、棒に張り付くようにして残っていた部分を口にした瞬間。
「「!!!!!」」
 それをみた二匹の悪魔が、雷の直撃を受けたように身体と顔を強張らせる。
 あれ? と思ったら、わあ、と声があがった。悪魔たちの表情が、みるみるうちに悲痛に歪んでいく。
「ワ、ワシのアイスがぁぁぁ?!」
「私のアイスがー!」
 うわぁぁぁんという泣き声と、ピギャァァァという悲鳴が重なって、事務所内に響き渡った。
 その様子に、佐隈は顔色を変えた。
「えっ、これお二人のだったんですか?」
 慌てて手元をみるが、もちろんもうあるわけない。残っているのは、棒だけだ。さすがに、これを返すわけにもいかないだろう。
「せや! 道で拾った小銭集めてようやっと買うたんやで?! あのガキに頼んでおいたやつや!」
 鬱陶しいくらいに涙を流しながら、わあっとアザゼルが顔を覆った。
「来る日も来る日も、アクタベはんの目を盗んで集めた一円の結晶があぁぁ!」 「うわ、なに涙ぐましいことしてるんですか」
 せっせと道端に落ちた小銭を拾い集める姿を想像した佐隈は、ちょっとだけひいた。
「やっかましいわ、守銭奴のさくにいわれたないわ!」
 まったくもってそのとおりだ。佐隈は思わず納得して頷きかけたが、はっとして頭を振る。いけないけない。自分はそこまでではないはずだ!
 こんな悪魔の言葉を肯定しかけた自分を恥じていると、ずいとベルゼブブが顔を近づけてきた。すっかり目が座っているその様子に、ひぃ、と小さな悲鳴が喉の奥から漏れた。驚きすぎて、ついつい、アイスの棒を取り落す。
「私が拾った分もあるんですよ?! それをどちらがいただくか、命をかけた勝負をしていたというのに……! 何してくれてんだこのクソアマァァァ!」
「ベルゼブブさんまで?!」
 魔界の貴族がそれでいいのだろうか。せっせと道端で小銭を拾う紳士って一体。
「弁償せいや、さくー!」
「え、えええ?!」
「なに驚いてんだよ、このドブス! 当たり前だろうが!」
 宝物を取り上げられた子供のように、二匹の悪魔がまとわりつく。足元にはアザゼル、顔付近にベルゼブブ。鬱陶しいことこの上もない。
 せっかくアイスをたべて涼しくなったというのに、熱が上がりそうだ。
「ああ、もう、落ち着いてください! 今から、お二人の好きなアイス買ってきますから、ね?」
 努めて優しく宥めようとするものの、楽しみを邪魔されて腹立たしさがおさまらないらしいアザゼルが、小さな両手を振り回す。
 なんか、スーパーでお菓子を買ってもらえず、周囲の迷惑などかえりみずに泣き叫ぶ、躾のなっていない駄々っ子のようだなー、と佐隈は思った。
「それだけで済むと思うとるんかあああ! さくには誠意がたりん! 誠意が!」
 悪魔使いに誠意というものを求めること自体、なんだか間違っているような気がするし、他人のことなどそっちのけなはずの悪魔が、誠意という言葉を使うのはいかがなものか。
 だが、実際、彼らの楽しみを駄目にしてしまったのは確かだ。
 自分だって、せっかく貯めたお金で買ったものを無残に壊されたりでもしたら、やはり腹が立つだろう。
 佐隈は、むむむ、と考えこんだ末。
「私ができる範囲のことは何でもしますから……、」
 それで許してくださいと続けようとしたそのとき、ぎらりとアザゼルの瞳が光った。
「――いうたな?」
 ニタァ、とアザゼルが厭らしい悪魔らしい笑顔をみせる。佐隈は、急にいつもどおりに戻ったアザゼルの変化についていけず、目を瞬かせた。
「はい?」
「何でもするいうたな?!」
 びし、とアザゼルに指差され、佐隈は思わず顔をしかめた。
「前からそういう風に人を指差しちゃいけませんって、いってるじゃないですか、もう。いつになったら覚えてくれるんですか? 犬の躾のほうがまだ簡単ですよ」
「ワシを犬と一緒にすな!」
 そっと、指をおさえるように手のひらをかぶせるが、それは無情にも払いのけられる。
「できることはなんでもするいうたな?! よーっし、なぁにしてもらおうかな~」
 いっしっし、とあれこれとゲスいことを考えている顔で、アザゼルが笑う。おおかた淫奔の悪魔に相応しい下品でいやらしいことを妄想しているに違いない。
「はい。『私ができる範囲のこと』で、ですけどね」
「……ん?」
 念を押すように、佐隈はもう一度いう。勝ち誇っていたアザゼルの表情が固まる。
「さくちゃん、どういうこと?」
 アザゼルが小さく首を傾げるので、同じように佐隈も首を傾げた。
「だから、『私ができる範囲』で、なんですから、私ができないなと思ったらしませんよ」
「――!?!」
 当たり前でしょう? と、言い聞かせるように告げると、アザゼルが衝撃に身を強張らせた。小さな目は大きく見開かれ、四本指の手はわななき、開いた口はだらしない。
「あ、あ、あ……あくじょー! 性悪! 女アクタベ! クソ処女の分際でふざけよってからにー! 純粋な悪魔をだましやがってぇぇぇ!」
 散々ないわれようだ。
 だが自分は間違ったことはいっていない。勘違いしたのはアザゼルだ。佐隈は、なんだか面倒くさくなってきて、ため息をついた。
「きちんときいてないアザゼルさんが悪いと思う……」
「まったくですね。はー、この駄犬が」
 やれやれと、ベルゼブブが肩をすくめる。同じ気持ちである共通点をもってして、ねー、と互いに顔をみあわせる。
「タッグ組んでワシをこけにして楽しいんか、おまえら! もういやや、こんな職場ー!」
 床に突っ伏し、アザゼルが縮こまって泣き出す。
 ああ、もう、本当に鬱陶しい。内心舌打ちしながら、佐隈はその傍らにしゃがみこむ。
「で、どうしたら許してくれるんですか?」
 その言葉に、アザゼルが勢いよく顔をあげた。泣いたカラスがもう笑う、ではないが、ついさっきまで泣いていたとは思えない顔つきで。悪魔だからかもしれないが、現金すぎる。
「しゃあないな! ちゅーのひとつで許したるわ! べーやんもそれでええよな?!」
 アザゼルに同意を求められたベルゼブブが、ふむ、と口元に手をあてる。
「……そうですね。まあ、佐隈さんができればそれでかまいませんが、それは彼女の『できる範囲』にはいるのかというと甚だ疑問ですね」
「ハッ、この年まで処女やいうても、ちゅーのひとつやふたつやみっつやよっつくらいできるやろ! よっしゃ、さく、ここは腰がとろけるくらいの濃厚なのをこう、ぶちゅーっと、」
 ぺと。
 みなまでいわせず、佐隈は無言でアザゼルの頬にグリモアを押し付けた。
「ギャプルブゥフォ?!」
 ぎゅりぎゅりと上半身は右回転。下半身を左回転させて。雑巾のように絞り上げられたアザゼルが、珍妙な悲鳴をあげながら、床に芋虫のように転がった。
 ピギャッ、とベルゼブブの口から悲鳴が漏れる。
「ん? なんですか? もう一度言ってもらえますか?」
 ぺち、ぺち……と、ゆっくり数回グリモアでたたくたび、アザゼルは形容しがたい悲鳴をあげながら、とても生き物とは思えない形状でひねられていく。
 ふ、と手を休めて問いかけると、もうどこに口があるのかわからないが、声が漏れた。
「ごめんなさい……調子に乗りました……」
「わかればよろしい」
 手足を動かすこともままならないアザゼルを見下ろし、佐隈は頷いた。
 とはいえ、できる範囲でと条件はつけたけれど、侘びをするといったのは確かだし――いやしかし。
 うーんうーんと悩む間に、アザゼルがグリモアの力を得て回復していく。
 うん、まあこれなら――――いいか。
 そう思った佐隈は、アザゼルをひょいと持ち上げた。ずいぶんと復元されていたアザゼルが、「ん?」と涙に濡れた顔をあげる。
 そのまま、頬にそっと唇を触れさせる。
 続けざまに、目の前で起こったことが理解できないのか、飛びながら目を丸くしているベルゼブブの頬へも、口付けをひとつ。
「これでいいですか」
 完全にもとにもどったアザゼルを降ろし、二匹の悪魔を交互に見遣る。
「――い、いいわけあるかあぁああ!」
 てっきりアザゼルがなにかいうかと思ったが、叫んだのはベルゼブブのほうだった。意外。
 佐隈は、思いっきり顔をしかめた。今度こそ堪えることなく舌打ちする。
「え~……、まさか口にしろとかいいませんよね? 絶対嫌ですからね! 『私にできる範囲』はここまでですからね!」
「ピギャァァァァ! そうじゃねえよ、こんのビチグソ女ァァァ!」
 ベルゼブブが、手を振り回す。
「なぜ、なぜにっ、なぜにアザゼルくんが先なのですか?!」
「そこですか?!」
 思ってもみなかったところの指摘に、声がひっくりかえる。まさか順番のことをいわれるとは。
「諦めぇや、べーやん」
 ふ、と落ち着いた調子で、アザゼルが言う。格好つけて髪をかきあげているが、その頭身でやられても笑いを誘うだけだ。
「さくは、べーやんよりワシのほうを好いてくれとるっちゅーことや! さく、おまえほんま可愛いやっちゃな! これでアイスのことは許したる! ほーれほれ、おっちゃんともっとちゅっちゅしようやないか!!」
「いや、アザゼルさんのことが好きとか、そういうわけじゃないですから」
 飛びかかってくるアザゼルを、ひょいと避ける。その勢いのまま、アザゼルはゴミ箱に突っ込んだ。紙屑やお菓子の包み紙まみれになりながら、アザゼルがゴミ箱から顔を出す。
「なんや、なんやの! ワシのどこが嫌なんやぁぁぁ! 気ィもたせるだけもたせよってからに!」
「そういうところが嫌いなんですってば!」
「さくまさん、もう一度、もう一度お願いします! 今度は私が先です!」
「やめんかべーやん! 見苦しいやっちゃなあ!!」
「黙れ犬面悪魔がっ! 糞尿巻き散らかせてやろうか、ああ?!」
「ハッ! 負け蠅が! 男の嫉妬は醜いのう!」
「な、な、なんですってぇぇぇー!」
「ああもう! やめてくださいってば!」
 ぎゃんぎゃんと収拾がつけられずに騒いでいると――爆発したのかと聞き間違うような大きな音を立てて、事務所の扉が開いた。
「「「!!!」」」
 思わず全員が、そちらのほうへと顔を向ける。なぜならば、そこから垂れ流される空気が黒く冷たく、恐怖以外の感情を呼びこさないからだ。危険なものを目視し、いつでも逃げられる体制をとろうとするのは、生きているものの本能だ。
「うるせえぞ、お前ら……!」
 ハァハァと気持ちの悪い息をついているサラマンダーの頭を鷲掴みにした芥辺が、ゆらりと陽炎をまとって現れた。
 アクタベ殿、もっと……、などと気持ちの悪いことをいいながら、サラマンダーが身悶えている。いろんな意味で身の毛のよだつ光景。
 どうやら、外での仕事を終えたらしい。
 が、なにかあったのかと聞かずとも――虐げられることに快楽をみいだすサラマンダーにまとわりつかれ、芥辺の怒りが頂点に達したのだろうと想像することは容易だった。
 おかえりなさい、お疲れ様でした。そんな言葉をかけることすらためらわれる。
 そのとき、空気が読めていないのか、もっと痛みが欲しいのか、サラマンダーの手が芥辺の腿のあたりをゆっくりと撫でた。命知らずだ。
 次の瞬間、一人と二匹の傍を、赤いものが疾風をまとって通り過ぎた。
 背後の壁で、何かがぶつかって落ちる音と、「あぁん……」という気持ちの悪い喘ぎ、さらに荒くなった息遣いが聞こえる。
 振り向くのも嫌だ。
 芥辺の一流の野球選手もかくやという投球フォームをみてしまった佐隈は、もうやだこの探偵事務所……と、ぼんやりと思った。
 いつもの立ち姿に戻った芥辺の鋭い瞳が、こちらを一瞥する。それだけで、極寒の地に裸で放り出されたかのような、どうしようもない寒気を覚えた。
「アザゼル、ベルゼブブ……仕事が終ったなら、とっとと帰れ」
 足元を見ると、取っ組み合いをはじめていたベルゼブブとアザゼルが身を寄せ合って、ぷるぷると震えている。さすがの佐隈も可哀そうになるくらいの怯えっぷり。
「す、すみませんでした!」
 ひょい、とそれを一塊にして抱き上げて、佐隈は青ざめながら事務室を飛び出した。
 芥辺の横を通り過ぎるとき、命をとられなかったことに心から安堵した。
 廊下を駆け抜け、召喚部屋に飛び込む。そんなに走ってもいないのに、鼓動はひどく速く、胸を内側から叩きあげている。
「あー、びっくりした。すごく機嫌悪かったなあ、アクタベさん……」
「サラマンダー氏も、勇気のある……」
「いや、あれは勇気あるっちゅーか……アホやろ」
 抱えていた悪魔たちをおろし、ほーっと三者三様のため息をついた。逃げおおせたことの感謝さえ滲む。
「さて」
 びし、とベルゼブブが上着の襟をただす。命からがら逃げ出したことであるし、これで魔界に帰るのかと思いきや。
「さあ! ここにくれば氏の邪魔もはいりません! さくまさん、今一度やり直しを要求いたします!」
「えええ?!」
 まだ諦めてなかったのか。ついつい驚きに大きな声を出してしまった佐隈の足元で、さすがのアザゼルも呆れたような顔をしている。
「いやなんつーか、ほんま必死つーか、諦め悪いな、べーやん」
「だまらっしゃい! アザゼルくんに負けるなど、このベルゼブブのプライドが許しません!」
 嫌だ嫌だと普段からは考えられない様子で駄々をこねるベルゼブブに、佐隈は苛立ちのままグリモアを振り上げつつ、もう一方の手で召喚部屋の本棚を指差した。
「もう、いい加減にしてください! やることやったんですから、ほら、帰ってください! 次に何か言ったらここにあるグリモア全部なげますよ?!」
「「!」」
 本気の怒りを感じ取ったのか、アザゼルとベルゼブブが身を震わせた。わたわたと、アザゼルが走り出す。
「いやいや、ワシはもう帰りますよ~!」
 とばっちりをくってなるものかと思ったのだろう。アザゼルが慌てて魔法陣に飛び込んでいく。
「ほら! ベルゼブブさんも!」
「……こ、このクソが……!」
 ぎちぎちと可愛らしさなど微塵も感じられない顔で、ベルゼブブが歯ぎしりをして――かくり、と肩を落とした。
「さくまさんは、私のことがよほどお嫌いなのですね……」
 ちいさくぽつりとそんなこと言う。
「……」
 目に見えて落ち込んでいる、しょぼしょぼとした姿が、なんだかさすがにかわいそうというか、なんというか。
 もう……順番くらいで、そこまで落ち込まなくても……。
 魔法陣に身を沈めていったアザゼルに続こうとする、その後姿にせつなさを覚え、佐隈は「しょうがないな……もう」と、腹をくくった。
 力ない羽ばたきで、魔法陣に降下をはじめたベルゼブブの、その服の裾を掴んでちょいと引き止める。
「?」
 わけがわからず振り返る頬、先ほどとは違うほうの頬に、佐隈はそっと唇をのせた。
「アザゼルさんには、ないしょ、ですよ?」
 しー、と柔らかな羽毛に触れたばかりの自分の唇に、佐隈は人差し指をあてる。
「これでベルゼブブさんが二回目ですから、数で一番ですよ。ね?」
 これならばベルゼブブの自尊心も満たされるだろうと、佐隈は微笑む。
 ひきとめていた手を離すと、目をまん丸に見開いたベルゼブブが、羽をはばたかせることをやめて、ずるりと落ちた。まるで、石像のように。
「うわっ?!」
 思わず手で拾いかけるが、間に合わない。というか、もともと帰るのだから、別にいいのか。
 重力に、魔法陣の引力に、ベルゼブブは逆らわない。魔法陣の向こう側、魔界へとベルゼブブは還っていく。そうして、体を半ばあちらへと沈ませたベルゼブブが、はっと表情を動かした。ばたばたと、手を振ってくる。
「あ……! さ、さくまさん……! また、明日――!」
 とぷん、と次元の狭間の揺らぎに包まれながら、いつかみた金の髪、蒼い瞳の麗しい姿を垣間見せた悪魔が、そう叫ぶ。
 そのあまりにも必死な様子が、なんだか可愛くて。佐隈は、ふふ、と笑った。
「――はい、また明日。ベルゼブブさん」
 ひらりと手を振ろうとしたが、もう、その姿は見えなくて、佐隈はあげかけた手を下ろす。
 約束ともいえない約束は、閉じた次元の向こうにいったベルゼブブに、届いたのだろうか。
 佐隈は、ほう、と息をついた。
「……はー、もう、まったく世話が焼けるんだから」
 ひどく火照った頬に、ぱたぱたと手で風を送りながら、佐隈は召喚の部屋を足早にあとにした。
 明日のイケニエのカレーは、何にしよう。

 

 

 その頃、魔界では―― 「べーやぁぁん?! べーやんが、沼に、底なし沼にはまってるぅぅ?!」
 真っ赤な顔をして沼にはまったベルゼブブが、固まったままぶくぶくと沈みゆくさまをみて、何も知らぬアザゼルが叫んでいた。