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狼と兎の国 〜おおかみさんとうさぎさん物語〜 補足説明

 狼の耳と尻尾をもった狼ヒースと、兎の耳と尻尾をもった兎ティアのお話です。
 まったくもってゲームとは関係ありません。いままで以上に関係ありません。
 とりあえず、以下は補足説明です。読まなくてもお話を読むのに問題はないと思います。
 忘れっぽい自分のための、メモを兼ねております。気が向かれた方は目を通してみてください。


《はじめに》
 適当に決めているので、固有名詞とか本編ゲームとかいろいろとごちゃまぜです。途中で増えたり、変わるかもしれません。そうでもないかもしれません。
 そもそも行き当たりばったりなので、完結するかもわかりません。っていうかぶっちゃけ「こんな感じ」というメモ書きがあるだけで、予定はたってないも同然です。書きたいものだけ書くというトンでもない企画(?)です。
 広い心でひとつお願いします。



《登場人物について》
 狼ヒースの所属は、大陸の北に位置する狼の国であるヴァイゼン帝国です。
 神狼フェンリルを祖とし、崇拝している種族です。
 三角の耳とふさふさの尾が、神の血の名残りであるとされ、それと同時に誇りとされています。好戦的な部分があり、組織戦を得意とします。いわゆる狩りです。質実剛健の気風で、派手さはありません。個人的な戦闘能力も高いです。

 一方、兎ティアが所属するのは、大陸の南に位置する兎の国であるカレイラ王国です。
 妖精兎ティタニアを祖とする種族です。長い耳と短い尾が特徴です。
 小さく丸い尻尾は、服の下で普段はあまりみえません。基本、争いを好まない種族です。ことなかれ主義とも言います。のんびりとしていておおらかです。文化の成熟度は高く、歌とか詩とか、絵とか大好きです。どちらかというと華美です。戦闘能力はそれほどありませんが、グスタフなどの例外はあります。

 ゲーム内に出てくる登場人物は、各国そのままの所属です。
 ファナ、レクス、デュランなどローアン住人はカレイラ王国です。グスタフ師匠は兎ですが、好戦的かつ剣の腕は一流です。ハオチイは別の大陸からやってきたああいう生き物、という解釈です。カムイはもともと帝国出身ですが、まだ両国の関係がそこまで悪くなかった頃に移住しており、町の皆も受け入れているので特に問題ありません。
 エルフである町長やシルフィは、そのままエルフ族です。ルドルドやラウカもそのままの種族です。
 ヴァルドはもちろん帝国の皇子です。耳と尻尾あります。ワーマンもです。
 アンワールやナナイは、砂漠の民出身です。砂漠の民については、後述します。
 なお、魔王であるクレルヴォはでてきません。そもそも、魔王なんて存在はありません。預言書の先代として、魔王でないクレルヴォを精霊たちが回想するくらいはあるかもしれません。


《国や現在の情勢について》
 カレイラ王国の歴史はとても古く千数百年になります。いつの頃からか大陸全体にその勢力を伸ばしていましたが、いまはその版図もかなり小さくなっています。
 他大陸から移住してきた他種族との抗争に負けたり、譲ったりなどで、段々と小さくなってしまったのです。

 対して、ヴァイゼン帝国は比較的新しい国家です。二百年ほどまえに、他の大陸から移住してきた人々によって興されました。大陸の各国を支配下におさめ拡大してきた国です。
 現在は、カレイラ王国と国境をわける位置で小競り合いを繰り返しています。
 ワーグリス砦は王国所有です。その少し先にある帝国砦に帝国軍は兵を常駐させています。
 砦と砦の間のほぼ中間地点にある大岩などが一応の国境の目印とされており、その先に互いに踏み込むことは禁止です。大木や崖なんかも目印です。それらを繋いだものが国境です。しかしながら、ここ最近は各地で小競り合いが頻発しているようです。

 カレイラの南に位置する砂漠には、女系民族が住んでいます。魔猫バステトを祖とする民族です。小さな三角の耳と、するりとした長い尾が特徴です。
 魔術が得意で、偉大なる神官は過去も未来も見通す力をもっているといわれています。
 砂漠では、双子の大神官と大魔女が勢力を二分していましたが、ティアの力添えもあって大神官側が勝利し、いまのところ情勢は安定しています。
 なお、大魔女はいずこかへと姿を消したとかなんとか。消息不明です。

 帝国の皇子であるヴァルドは、カレイラとの和平交渉をすすめるために努力していますが、帝国内での異論や王国側も一枚岩でないことから、たいへん苦労しているようです。とりあえず、宰相のワーマンは和平を好ましく思っていないようです。
 それでも、理解ある王国外交官などの手助けもあり、和平交渉は秘密裏に進んでいます。
 そのような情勢の中、帝国東で魔物討伐をしていたヒースが、帝国の将軍としてカレイラ王国と接する前線基地である帝国砦に派遣されたところから、物語は始まります。



《預言書について》
 預言書はティアの手にあります。ゲーム中と同じものです。
 ティアはその力で魔物退治や砂漠の民との交渉ごとにあたってきたため、「国の英雄」と、もてはやされています。
 預言書は出現してはいますが、世界は滅び間近というわけではありません。まだまだ、ずーっと先の話です。このお話の中では、預言書は世界中でもっともふさわしい人物に受け継がれ、その時代の価値あるものを記していくもの、となっています。精霊もちゃんと4人います。最終的に世界が寿命を迎えたら、それをもとに次の世界が生まれます。



《国境目印の白い岩について》
 帝国と王国の間にある白い岩は、いつの頃からそこにあるのかわからない大きな岩です。
 岩があることはおかしくないのですが、疑問は地質学的にこのあたりでは産出されることがないもの、ということです。
 これと同じものがあるのは、遠い遠い余所の大陸の一部のみです。そこは、その大陸では世界始まりの地と言い伝えられています。
 昔の人は、この岩がそんなところにしかないことなど、もちろん知りませんが、綺麗ですし、荘厳ですし、そこに神の気配を感じたのか、昔は宗教的な儀式も行われていたようです。日本の神道でいうところの磐座です。
 その頃には、「真白の磐座」と呼ばれていました。
 しかしながら、それも古い古い時代のことで、今はそういったことは行われていません。



《神話と真白の磐座について》
 この世界は、前の世界が滅んだあとにできたものです。
 そのときを迎えた預言書の主は、滅びの炎が消えた後、たくさんの友と共に、この世界に降り立ちました。彼らは、この世界の住人たちの始祖とされているものたちです。そこは、いずれ聖地と呼ばれるようになる場所でした。



 遠い遠い昔のこと。もう誰も、覚えていない、知る者のない、そんな時代の話です。
 神狼フェンリル、妖精兎ティアニア、魔猫バステト、森霊エルフ、地人ドワーフ――――様々な種が、この世界へと連れてこられました。
 でも、人間は一人もいません。預言書の主以外は、一人もいませんでした。
 彼らは、前世界の人間たちに、「人間でないモノ」という理由で、恐れられ疎まれ、退けられていました。預言書の主は人間でありましたが、そのことを心から憂いていました。
 悩んだ末、預言書の主は、世界を滅ぼすほど栄華を極めた人間は、連れてくることをやめました。
 膨大な年月を経て、緩やかに眠りについた旧世界は終焉を向え、そうして、新たな世界がはじまることとなりました。
 しかし、前の世界からたくさんの友をこちらへと導いた主は、それにみあうだけの力を使っていました。人間であった彼の寿命は、もうわずかでした。
 彼は、最後の力で、人間たちが作った負の遺産を記したメタライズを、聖地から最も遠い場所に封じました。その後、主は、病に伏せりました。
 主以外のものたちは、人間に迫害されていたという共通点はありましたが、かといって互いに思いあうような間柄ではありませんでした。人間という敵さえいなければ、彼ら自身が戦いあう、そんな不仲なものたちもいるほどでした。
 主の最後の心配は、そこでした。大地に身を横たえたまま、主はいいました。
 どうか争うことなく、平和に暮らし、皆は幸せに生きてほしい。君たちが真にわかりあうことができたなら、きっとまたぼくは生まれるだろう――――と、そんな言葉を残し、彼はその生涯を終えました。
 預言書の主という糸を失った彼らは、ばらばらにそれぞれの安住の地を目指して旅立ちました。
 ですが、妖精兎ティタニアは、ずっと主の傍らにいました。いつか、彼がまた目を開けてくれると信じたかったのです。
 そんな彼女の周囲からは、ぽつり、ぽつりと気配が消えていきました。
 一週間、一ヶ月、一年――――それよりもずっと長い時間が経ち、主は、世界に溶け込むように消えていきました。
 そうしてそこに現れたのは、預言書でした。妖精兎ティタニアが、新たな預言書の主として、世界に選ばれたのです。
 友の死を受け入れた妖精兎ティタニアが顔をあげたとき、すぐそばに誰かがいました。
 雨風を遮り、汚れぬように守り続けてくれていたのは神狼フェンリルでした。
 この日まで、その身を挺して庇い続けてくれていたことに、妖精兎ティアタニアは、初めて気が付いたのです。
 漆黒の毛を埃で白く汚しながらも、悠々と威厳を失うことなく座す神狼フェンリルに、妖精兎ティタニアは問いました。
 どうして、わたしをまもってくれていたのですか、と。
 その言葉に、神狼フェンリルは、冬の海のような瞳で答えました。
 まもりたいと、おもったからだ、と。
 嘘偽りがないことは、妖精兎ティタニアの体をみれば、一目瞭然でした。己の純白の毛には、ひとつの泥のはねすらも、なかったのですから。
 しばらくともに過ごした後、互いに互いの地を求め、彼らは旅立つことになりました。
 ですが、すでに世界のあちこちには、ともにこの世界に導かれたものたちの眷族が、国を興すほどになっており、彼らがゆくことのできる地は、雪と氷の大地か、かつての預言書の主が負の遺産を封じた、最果ての大地だけとなっていました。
 神狼フェンリルは、雪と氷の大地を選び、妖精兎ティタニアは、最果ての大地で負の遺産を見守ることにしました。ふたつの地は、遠く遠く離れています。
 妖精兎ティタニアは、神狼フェンリルをみあげいいました。
 いつか、またおあいできますか。またあなたに、あいたいのです、と。
 神狼フェンリルは、妖精兎ティタニアをみおろしいいました。
 では、いつかまたあおう。かならず。かならず、と。
 約束の証として、彼らは聖地より白い岩を持ち出しました。
 それを置いた場所で、いつかまた会おうと決めたのです。
 そうして、最果ての地の片隅に、その岩は置かれることとなり、妖精兎ティタニアがそれを預かりました。
 神狼フェンリルと妖精兎ティタニアは互いの地を目指して、聖地を後にしました。
 ですが、それ以後、彼らが出会うことはありませんでした。
 遠い遠い神代の時代のお話は、いまはもう、誰も知りません。
 でも、白い岩だけは、約束が果たされる日を、ずっと待ち続けています。
 やがて神と呼ばれるものたちの、自分たちでさえ理解していなかったこの世界最初の恋は、こうして静かに生まれ、静かに終わりました。
 それは遠い遠い昔のこと。もう誰も、覚えていない、知る者のない、そんな時代の話です。